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第91回装苑賞 佳作1位を受賞した野中優さんのポートフォリオを、ポイントとともに紹介します。

ポートフォリオって何?

作品のテーマやコンセプト、デザイン画、素材のサンプル、過去の制作物や自己紹介などをわかりやすく1冊にまとめたファイル。デザイナーがどんな思いや意図をもって作品を作ろうとしているのかを、審査員へ伝えるために作るプレゼンテーション用アイテムです。必須事項さえ押さえれば、ファイルの種類やサイズ、ページ数などはデザイナーの自由。まずはポートフォリオ審査を通過するために、自己流でもいいので、自由にポートフォリオを作ってみよう。

野中さんは、まるで蛾の標本箱を思わせるようなボックスタイプのポートフォリオでチャレンジしました。

〔重要〕:必要事項を必ず明記しよう。
ポートフォリオを審査員に確実に届けるために、応募要項に記されている必要事項の明記を忘れずに。
希望する審査員名、テーマ、氏名、年齢、職業(学生は学校名)、住所、電話番号、メールアドレスを必ず明記してください。
※1次審査通過のお知らせは、電話連絡となります。

POINT 1:まずはテーマを考えよう。
まず初めに、自分がどんな作品を作りたいのかを考えて、テーマとなる言葉を設定します。
身の回りの出来事や最近気になっているカルチャー、大好きな趣味や尊敬するクリエイターの作品など、様々なモチーフを自分の周辺から拾い集めて、テーマにしてください。

POINT 2:次にコンセプトを練ってみよう。
テーマが固まってきたら、なぜそのテーマに至ったのか、その理由や自身の考えをコンセプトとして言葉にしてみます。文章が苦手な人は、モチーフの写真や関連する素材を集めたコラージュを添えてみるのもいいでしょう。

この作品のポイントは、蛾が乱舞するように揺れるディテール。それを小さなミニ絵本のようにして、審査員の目に留まるように工夫している。見本帳を開くとパタパタを翅が動いてるようにも。

POINT 3:イメージをまとめてみよう。
テーマをもとに、そこから浮かんでくるイメージを写真やイラストなどを使ってまとめてみます。頭の中にある要素をビジュアルとして整理して見せることで、作品の方向性や伝えたいことがよりわかりやすくなります。

蛾の鮮やかで美しい模様を引き立てるため、背景はすべてブラックで統一。文字も写真もくっきりと見え、一瞬で伝えたいことが分かるような仕組みに。

POINT 4:テーマをデザインに昇華してみよう。
次にデザイン画を描いてみます。どんな服を作りたいのか、そのデザイン画を実際に形にすることができるのか、の2点が重要なポイント。装苑賞は最終的に3体のミニコレクションでの発表となるので、必ず3枚以上のデザイン画が必要です。

POINT 5:素材を考えてみよう。
デザイン画を描いたら、どんな素材で服にしたいのかを考えます。素材サンプルはデザイン画がどんな服になるのか、見る人の想像を膨らませるサポートアイテム。あくまでサンプルなので、実物制作の際に素材を変更することは可能です。

コンセプトの文章やイメージ写真だけでなく、そのアイディアを具体化する過程を試作品で見せる。部分的なパーツがあるだけで、出来上がりが気になってくるもの。

POINT 6:余裕があれば、プラスαの要素を追加してみよう。
●関連の資料を集め、テーマのモチーフを深く考察した、リサーチのページを入れる
●デザイン画を実物にするための研究過程を載せたページを入れる
●伝わりやすいページネーションを考えてみる
●印象的なレイアウトに挑戦してみる

ポートフォリオは起承転結のある一冊の本と同じです。初めてトライする場合は、1~5の作り方のとおりでも大丈夫。ポートフォリオ経験者や時間に余裕のある方は、ぜひいろいろな作り方を試してみてください。プロのように完璧である必要はありません。
デザイナーの熱い思いが込められていれば、審査員に思いは通じます。

野口 優
1994年生まれ、愛知県出身。名古屋モード学園卒業。現在アパレル企業勤務。

photographs:Josui, Jun Tsuchiya(all B.P.B.)

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